呼吸法(プラナヤーマ)

クンダリーニ・ヨガの中で、「呼吸法」は最も基本的で、重要なテクニックです。
呼吸法を習得すると次のように様々な効果が期待されます。

呼吸は健康を促進し、バイタリティーを高めます。
呼吸は感情の範囲や創造性を拡大します。
呼吸は気分、気持をコントロールします。
呼吸は集中力を高めます。
呼吸は気持ちがつながっている感覚を促進します。

呼吸法(プラナヤーマ)

呼吸は私たち人間の生命そのものです。空気と一緒に運ばれてくるエネルギーがあり、ヨガでは、その微妙な生命エネルギーを「プラナ」と呼んでいます。ヨガはこのプラナを取り入れるために、何千年も取り組んできました。ヨガの呼吸法が「プラナヤーマ」と呼ばれるのはそのためです。プラナヤーマとは意識的に呼吸することを通じてプラナの動きをコントロールする呼吸の科学なのです。「プラナヤーマ」の「プラナ」は生命力、「アヤーマ」は拡張を意味し、エネルギーをコントロールする働きを表しています。

呼吸を意識することは身体的な呼吸を行う側面だけではなく、プラナと呼ばれる心身の微細な生命力についても認識することから始まります。そのため、クンダリーニ・ヨガの始めるにはまず、呼吸に無関心である習慣を打ち破ることが重要です。呼吸は単なる呼吸ではなく、呼吸が私たち人間のすべての感情や思考に連結していることを認識することからスタートしましょう。

呼吸はまた言葉と密接な関係にあります。呼吸と言葉が私たちの人生の方向や形をつくるための舞台づくりの大きな役割の担っているのです。呼吸は、コミュニケーションや私たち自身や他人との関係を支配します。私たちが意識的に、呼吸や音を形づける能力を持つことができると、私たちの人生の可能性は創造的に広がりを見せるでしょう。

【シンプル自然呼吸】【深く長い呼吸法】【火の呼吸法】【鼻の交互呼吸】【シッタリープラナヤーマ】【口笛呼吸法】【止息法】などがあります。服装は、お腹がゆったりとしたウエアーに着替え、自然呼吸ができる準備をしましょう。呼吸で最も大切なことは十分にリラックスすることです。
さて、始めに自然呼吸を学んでみましょう。基本のポーズで座ります。背筋を真っ直ぐにして、目を閉じ、眉間に集中し、鼻で呼吸をします。

●シンプル自然呼吸Simple Natural Breathing
シンプル自然呼吸は正確には、丹田が動きます。息を吸う時、外側に動き、吐くときに内側、上に動きます。息を吸う時は広がるように、吐く時は長くなるように意識して行ってください。
呼吸を正確に行うために次のことが重要です。
▽お腹をあたりはゆったりした服装で行います。横隔膜の動きが妨げられないようにします。
▽背筋は伸ばして、肩はリラックス、目は閉じます。仰向けになって練習すると良いでしょう。
▽自然呼吸は鼻で呼吸します。空気をフィルターし、温め、湿らせます。鼻はイダとピンガラに連結していますので、プラナを身体に取り込みます。
▽完全に吐き、肺が空っぽになるようにします。

●深く長い呼吸法Long Deep Breathing

【効果】
副交感神経に影響を与え、リラックスし心を穏やかにします。
プラナを増やし、エネルギッシュになります。
肺の隅々まで浄化し、毒素を削減し、病気の予防に役立ちます。
血液をきれいにします。
ストレスを軽減し、精神的な自覚が高まります。
ヒーリング作用があります。
頭部の化学物質の生産を促進し、落ちこみやすい癖を取り除いてくれます。

基本のポーズで、またはイスに座り、足を床につけるようにします。手はヒザの上に軽く置くか、または、ギオンムドラにします。肘を曲げずに、腕を伸ばします。この深く長い呼吸は始めに学ぶ最も大切なテクニックで他の全てのポーズで使われます。この呼吸法は、全ての呼吸法の基礎になります。吸う呼吸と吐く呼吸の比率は1対1で、同じ長さになります。1分間に6回以下の呼吸数にすると、からだをリラックスさせることができ、また、直感にアクセスし、背骨を調整し、排除力を促進します。吸う時の呼吸は横隔膜をリラックスさせ、下そして外側へ動かします。続けて、胸まで呼吸します。息を吐く時は、胸から吐き、

このシンプルな呼吸で呼吸機能の最大限に高めます。この呼吸は3つの部分から成り立っています。まず、吸うときは、最初にお腹で息を吸い、いっぱいにします。次に、肺がいっぱいになるまで息を吸います。最後に、鎖骨を開き肩を開きます。この動きを連続して行います。吐くときは逆順で肺の息から吐いて、最後にお腹がからっぽになるまで吐くということです。
最初は、両手をお腹に当てて、その動きを確認しながら行ってください。吸うときは手の指が広がり、吐くときに元の位置に戻ります。正確に深く長い呼吸を習得するには腹部がリラックスすることが大切です。それは、腹部の筋肉を前に出すことで横隔膜が下方向に動きます。横隔膜の下への動きは肺の中に真空状態をつくり、その結果、空気は自動的に肺に流れ込みます。
また、深く長い呼吸は横隔膜呼吸とか腹式呼吸などとも呼ばれます。皆さん、出来る限り長い呼吸をしてみてください。

【火の呼吸法】
火の呼吸は基本的には自然呼吸法をスピ-ドアップしたものです。早いスピ-ドの呼吸(1秒間に2~3回のスピ-ド)で、吸うときと吐くときの間に途切れることなく、継続的に、力強く行います。
息を吐くときに腹部を背骨の方向に引いて行います。しかし、胸部はリラックスして行うことが重要です。お腹にエネルギ-を集中し、お腹の筋肉が内側に引かれるのを感じてください。息を吸うときは腹部がリラックスして横隔膜を下にします。呼吸は努力して入るというよりも自然に入ってくる感じです。使われている筋肉は腹筋です。最初は必要以上の筋肉を使ってしまうこともあるかも知れませんが少しづつ慣れていきます。
また、火の呼吸をするときに足や顔、肩などリラックスしているか緊張しているかチェックしてみてください。また、最初の頃、おへそのところと太陽神経叢のところが疲れたり、不調和を感じるかも知れませんが、練習を続けると呼吸がリズミカルになり簡単になります。火の呼吸を完璧に習得するには背骨を真っ直ぐにして、精神集中を行うことが大切です。
効果 神経エネルギ-が増加し、循環力が高まります。この結果、体内でのデトックス力である解毒作用を高め、食品添加物や喫煙、悪い食品などからくる古い毒素、有毒な要素などを肺や粘膜、血管、血球から体外に出す効果があります。さらに、効果を倍増するためには、呼吸法に加えて、野菜やフル-ツ、ナッツ類の食事療法を数週間続けるとよいでしょう。
火の呼吸は通常、3分間、それより少ない時間で行います。時には7分間30秒行います。火の呼吸を単独で練習する場合は3分間継続して、ゆっくりと20分間まで延ばすことができます。
効果的に精神集中し、呼吸でできるだけ多くのエネルギ-を取り入れるためにも、心の中で”SAT NAM”のマントラを響かせてください。マントラの音を聞くことは、あなたに調整したエネルギ-をどうしたらよいか教えてくれることでしょう。
【鼻の交互呼吸】
左の鼻からの呼吸は、鎮静効果があり、右の鼻の呼吸は、活性化する効果があります。それぞれの目的にそって、右の鼻と左の鼻の呼吸とを組み合わせて行う呼吸法がたくさんあります。
効果 右脳、左脳、脳全体の機能バランスを保ちます。
【シッタリープラナヤーマ】
舌を丸めて、口から息を吸い、鼻から息を吐く呼吸法をシッタリープラナヤーマといいます。深く長い呼吸と同じように行います。
効果 身体を冷やし、病気の回復、特に熱がある時に効果的です。また、身体をリラックス効果があります。
【口笛呼吸法】
口をすぼめて、口笛を吹くように音を立てながら呼吸する方法で潜在意識に深い影響を与えます。瞑想の時などに使います。
【止息法】
息を吸った後や吐いた後に呼吸を止める方法です。神経組織調整する効果があります。

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