クンダリーニ・ヨガの瞑想やクリヤの多くは、特定のポイントに目の焦点を当てます。身体的に視線を一点に方向づけすることで、眼から脳の中心へと向かう視神経に物理的な影響を与えます。
ヨガではこの目の焦点を「ドリシュティ」と言い、注意が向かうところにエネルギーが流れると教えています。加えて、視線の集中は、感覚の入力を最小限に抑える働きをします。
瞑想やヨガのポーズなどにより異なる眼の位置は、視神経が内分泌腺や灰色質に可変的な圧力を起こします。目の焦点は単に、気が散ることを減らすだけでなく、強力な瞑想テクニックなのです。
特に、目の焦点が指定されていない瞑想やクリヤは目を閉じて行います。これは内側への集中を高めるためです。身体的な効果に加え、目の焦点は精神集中として機能し、瞑想中に心がより容易に静止ポイントに到達することに役立ちます。
集中するポイントは下記のとおりです。
◎第3の目
第3の目は眉と鼻筋の交わるポイントで、両方の目をやさしく閉じた状態で凝視します。前頭葉であるこの部位はアジナーチャクラに関連し、脳下垂体、スシュムーナ(脊柱の中央チャンネル)を刺激します。直感力を発達させます。これは、多くのポーズや瞑想で使う基本の位置です。
◎鼻先
鼻先のポイントは目をわずかに開け、両方の目で鼻先を凝視します。鼻先の両サイドが等しく見えるようにします。これは松果体と前頭葉を刺激し、心をコントロールします。背骨の中枢神経の中のイダ、ピンガラ、スシュムーナのバランスを取ります。脳内に新しいエネルギー経路と神経回路を作り出します。気分を高揚させます
◎あごの先端
このポイントは目を閉じた状態で、目であごの先端を凝視します。静まり、穏やかになります。ムーンセンターMoon Centerと言います。体を冷却し、心を落ち着かせます。感情のバランスを取り、自分自身を明確に見る手助けをします
◎頭頂
頭頂ポイントは目を閉じた状態で、目を巻き上げるようして頭頂を見上げます。頭頂エネルギーセンターであるサハスララチャクラ(第10門)、松果体が刺激されます。広がりの感覚を生み出し、神意識を育みます。
◎目を1/10開く
この位置は両方の目をわずかに開けます。これは目に少しだけ光が入りますが、焦点が合わないようになります。瞑想的手法で、あなたが外側の世界にいるような感覚にします。心を穏やかにし、直観力を高めます。視神経を安定させ、感覚入力を最小限に抑えることで、瞑想に役立ちます。